本来、犬は群れで生活します。そのため、群れの中で犬のルールを覚えていくのです。

ですが、近年はヒトの家族の中で1頭飼いされることが多く、ヒトの群れの中で溺愛されることで、自分がヒトのリーダーだと勘違いしてしまうこともあるそうです。

そのため、ヒトの家族の中でも多頭で飼われていれば、犬の群れとして影響しあえて、そういった勘違いも少なくなります。

犬にとってメリットが多そうな多頭飼い、どんな注意すべき点があるのでしょうか。

お住いの物件で多頭飼いが許可されていること

ペット飼養可の物件でも、1頭のみ許可の場合もあります。また、小型犬は2頭、中型犬は1頭のみ許可という場合もあります。

お住いの物件の飼養条件をまず確認してください。

どれくらいお金がかかるのかを把握しておく

1頭から2頭へ、頭数が増えると、餌代だけではありません。カドラー(ベッド)も必要ですし、狂犬病予防接種や混合ワクチン、ノミ・ダニ予防薬やフィラリア予防薬などもかかります。

病気やけがの通院費用もかかりますし、お散歩もそれなりに手がかかるようになります。

これらの追加費用が掛かることもあらかじめ把握しておきましょう。

多頭の犬種(サイズ)も考慮が必要

先住が小型犬で、後から中型犬の子犬を迎えた場合、子犬は軽くじゃれたつもりでも、先住犬にダメージを与えてしまうことが考えられます。

2頭目にどんな犬種を迎えるか、慎重に決めましょう。

中型犬や大型犬の子犬は小さいですが、どこまで大きくなるのか将来を考慮してください。

新たに犬を迎える前に

もし可能であれば、先住犬と多頭の候補犬を「お見合い」させてもらって、相性を見極めましょう。

先住犬にとっても、初めての出会いで戸惑うことがあるでしょう。受け入れられそうか、先住犬の感情を汲み取ってあげる事が重要です。

先住犬へのストレス

1頭飼いで溺愛されてきた先住犬は、2頭目が現れたことで飼い主の愛情を独り占めできなくなります。

ですから、フードをあげるのも、おやつをあげるのも、先住犬を先にしなければいけません。

「待て」を覚えさせるとよいですね。

やがて、先住犬が2頭目をリードするようになり、犬社会が形成されていきます。

雌雄のペアで飼う場合の注意点

雌雄ペアで飼うこともありますが、なんといっても「去勢・避妊」の措置が大切です。

犬の妊娠は2カ月ほどで、一度に4~5頭が生まれます。ある日突然、多頭の赤ん坊を併せて飼うことになりかねません。

赤ちゃん犬の世話に手間暇かけて半年、また母犬に妊娠可能な時期がやってきてしまう計算となります。

そうこうしているうちに、子供たちの間でも交尾して、あっという間に増えていきます。

気が付いたら数十頭にまで増えてしまい、飼い主の手に負えなくなる「多頭飼育崩壊」は恐ろしいものです。ですから、最初の「去勢・避妊」措置がとても大切です。

お留守番させることはありますか

飼い主が仕事や買い物で外出して、犬たちだけでお留守番させることがあるなら、お留守番中に事故が起きないように配慮しましょう。

ゴミ箱、電源コード、コンセント、テーブルの上のお菓子など、要注意です。

フリーでいたずらをしないようであれば、短時間のお留守番から様子を見て、徐々に時間を長くしていくとよいでしょう。

飼い主が帰ってきて、トイレの失敗や花瓶がひっくり返っていたりする事もあるでしょう…寛大な心で後始末をする心持が重要です。

最近はスマホで外出先から室内を見ることができるカメラシステムなどもありますから、必要に応じて導入してみてはどうでしょうか。

もし子犬が産まれたら

こちらを見る子犬

子犬が産まれたら、母犬といっしょに保温してあげましょう。母乳にはワクチンのような大切な成分(抗体)が含まれていて、子犬たちは母乳で抵抗力を得るのです。

ですから、母犬と子犬は一緒にいさせてあげてください。

また、生まれたての子犬は抵抗力がありませんから、当面は外に連れ出してはいけません。

生後1カ月くらい経ったら、動物病院に連れて行って、混合ワクチンの接種時期を相談してください。

そして、重要なのは、子犬たちも自分で育てられるか、という点です。

自分たちで育てきれないと思ったら、ワクチン接種が終わる生後4~6カ月あたりになったら里親募集を始めるのも手です。

災害に備えて

地震などの災害に備えて、ペットフードやトイレ用品も備蓄しておきましょう。

避難する際には、1頭飼いならクレート1個で済むので手に提げて運ぶこともできますが、2頭以上となると何らかの輸送手段が必要になります。

もちろん、頭数分のクレートや食器をあらかじめ用意して慣れさせておく必要があります。

避難所にペットも同行避難できる自治体が増えていますが、ヒトと同じ部屋には持ち込めない場合が多いようです。

これは、犬猫が嫌いな方やアレルギーを持っている方も避難されているからです。

そのため、ヒトとは別の場所にペットは集められ、クレートなどの中で過ごす様に考えられているようです。

詳しくは、お住いの自治体にお問い合わせください。

ペットを最期まで看取ることが大切です

高齢の飼い主が犬を迎えると、犬を看取る前に飼い主が入院したりして飼えなくなってしまいます。

犬だけ残されても、生きていくことはできません。

必ず、ペットの面倒を任せられる方を決めて、了解を得ておきましょう。