犬は比較的良く吐く動物ではありますが、犬が「吐く」というのは、人間と同じで必ず理由があります。

その種類は、ただの食べ過ぎや水の飲み過ぎ・空腹・車酔いなどの特に心配する必要のないものから、重篤な病気へと発展するものまで様々です。

「突然犬が吐いた!」という時に冷静な判断をし、適切に対処する為には、飼い主さんのワンちゃんへの理解力が大きく関係してくると言っても過言ではないでしょう。

愛犬の日頃の様子をよく観察してイザという時に備えましょう!

犬が吐いた時に確認するべきポイントは?

今まで元気に遊んでいた犬が突然吐いた!という時、驚いてオロオロするばかりという飼い主さんも少なくないでしょう。

慌てて獣医の元へ駆けつける人も中にはいるでしょうが、獣医に連れていくという事に慣れていない場合は、自分自身で対処しようという気持ちが沸いてきてしまうのではないでしょうか。

ある程度犬の飼育経験があれば冷静に判断もできるのでしょうが、慣れていないとそうそう冷静では入られませんよね?

気持ちはわかりますが、そこは例え驚いても一呼吸おいて冷静に、まずは愛犬の様子や吐瀉物をチェックしましょう。

吐いた吐瀉物の色をチェック!

黄色い液体状のものを吐いた後、食欲もあり他に変わった症状はなく元気にしている。

このような嘔吐は朝方が多く、前日からの空腹が原因で起こる「逆流性胃炎(胆汁嘔吐症候群)」と呼ばれる物の可能性が高いです。

空腹時にこのような状態になる原因はわかっていませんが、寝る直前に食事をとらせる事で症状は無くなります。

吐いたものが茶色だったら?

茶色でかつ形がある物の場合は、その形をしっかりチェックしてください!

食べたものが未消化でそのまま出てるケースか、または消化しきった状態なのかを確認する事が重要です。

もし未消化の場合は喉や食堂に問題を抱えた「吐出」の可能性が高いです。

このケースでは大抵犬は一度吐いたものを再度食べようとするので、吐いた後の行動にも注意が必要です。

逆に消化された状態で茶色い液体状などの場合は、血が混じっていることが考えられます。

このようなケースでは内臓に何らかの疾患がある可能性があり、その場合は速やかに動物病院へ行く事をおすすめします。

白くて泡状の吐瀉物

透明あるいはちょっと濁ったような胃液を吐いている場合は、ストレスや乗り物酔い、長時間の空腹などが考えられます。

また、白い泡状の唾液であったら胃拡張や胃捻転などの症状である可能性もあります。

このようケースは比較的緊急性が高く、突然容体が悪くなる事が多々あるので素人判断は極めて危険です。

濃い赤または赤黒い色の場合

濃い赤または赤黒い色の場合、胃の粘膜からの出血の可能性が非常に高いです。

赤黒い場合は出血してからかなりの時間が経過し、血液が酸化したことで黒褐色に変化している状態で極めて危険な状態といえます。

早急に獣医師の診断が必要なので、すぐに動物病院に連れて行ってあげてください。

犬が吐いた時に特に問題ない吐き方

主に「吐出」と言われる症状の場合は特に心配することはありません。

原因としては、食べ過ぎ・空腹・不安感(恐怖/ストレス)・乗り物酔い・散歩中の草(消化不良)・誤飲などで、ほとんど自然現象的なものです。

散歩中の草食べに関しては犬の習性としてよくある行為で、体に悪いものを排出しようとする生理現象ともいえるものです。

ただ、頻繁に繰り返すようであれば若干注意が必要になります。

犬が吐いた時に危険だと思われる吐き方

前項のような「吐出」ではなく「嘔吐」に属する吐き方は重篤な病気の危険性がありますので要注意です。

どのような嘔吐が危険のサインかを詳しく解説していきましょう。

何回も繰り返して吐く

1回や2回ではなく何度も繰り返して吐くという状態は、異物の誤飲もしくは何らかの消化器系の病気、毒物による中毒症状・ウィルス性感染症などの疑いがあります。

肝臓などの消火器系の異常、または人間と同じように胃炎や胃潰瘍・急性膵炎・肝炎などを起こしている可能性も考えられます。

感染症で考えられるのはバルボウィルスやジステンパー感染症・フィラリア症などなど。

腹痛を伴っている可能性があるケース

吐いた後、苦しそうに背中を丸めてうずくまっている時は腹痛を伴っている可能性があります。

この腹痛の原因となる病気は「膵炎」で、肥満や急激な食事の変化などによって引き起こされます。

または高脂血症・毒物の摂取・事故による脾臓の損傷・副腎皮質機能亢進症なども腹痛の原因となっている可能性はあります。

膵炎には慢性と急性がありますが、慢性の場合腹痛はみられません。

吐瀉物に血が混じっているケース

吐いたものの中に血が混じっている場合は重い潰瘍や腫瘍の疑いがあります。

その他に考えられる病気は急性胃炎・気胸(胸の中に空気がたまる病気)などが考えられますので、いずれにしても早急に病院での診察が必要です。

激しい下痢を伴うケース

嘔吐と下痢を同時にする場合は危険な症状です。

ウィルスによる感染症の疑いが強く、ウィルス以外でも慢性腎不全・急性腎不全などが考えられます。

ウィルス感染症では、バルボウィルス感染症やジステンパーの疑いが!

状況を正確に判断するのは素人には難しい

「犬が吐く」場合の様々な原因を上げてきましたが、飼い主さんはこれらの病気があることを十分に理解して、自分の飼い犬が突然吐いた時に冷静に対処出来るよう備えておく必要があります。

吐く前の前兆から始まって、吐く時の様子や実際に吐いたものから総合的に判断して適切な処置を!

犬が吐いた時の対処法を知って適切に対応しよう!

しかめ面の犬

上記のように犬が吐く原因は様々です。

では、実際に犬が嘔吐した場合の対処法をみてみましょう。

病気以外で吐く場合は飼い主のちょっとした注意で十分に防ぐ事が出来る事がほとんどです。

また、食事が原因で吐く場合は少量ずつ与えて食事回数を増やすようにすれば、食べ過ぎで吐いたり空腹で吐いたりする事はまず無くなるでしょう。

注意すべき点は、食事の後すぐに激しい運動をさせないようにする事。

出来るだけ食事はゆっくりと食べさせ、胃捻転などの重篤な病気を発症しづらい状況を作ってあげることも大切です。

異物混入や何らかの中毒によって吐く場合は、麻痺などがないか犬の状態を逐一観察し、吐いた後もぐったりとしているようであれば病院へ、見た目に異常が見られない場合でも徐々に中毒症状が出てくる場合がありますので、吐いたものが明らかにヤバイもの、もしくは判別出来ないものである場合はやはり病院へ行って獣医師の診断をあおぎましょう。

緊急性が高い病気による嘔吐の場合は、症状で判断出来る場合もあります。

例えば、胃拡張や胃捻転などは、胃の中にガスがたまり胃がどんどん膨れていきます。ぐったりしていて異常にお腹が張っている場合は危険ですのですぐに獣医へ。

吐く前後の犬の様子を観察

犬が嘔吐をする時、吐き出す直前にお腹を膨らませたり凹ませたりといった、いわゆる「えずく」行為をします(音にすると「グフッグフッ」というようなお腹からこみあげるような動作)。

このような動作が見られた場合は無理に飲食をさせず、うつ伏せにしてしばらく様子を見ましょう。

また、「咳をする」「よだれの量が異常に多い」なども注意すべき点です。

吐いた後、以前と変わらずにケロッとしている場合は特に心配する必要はありません。

吐く頻度によって違う 急性嘔吐と慢性嘔吐

嘔吐は、症状や頻度によって急性と慢性とに分類されます。1回限りの嘔吐で、かつ3日以内で治る場合は「急性嘔吐」で早食い・誤飲・薬物中毒・感染症などの疑いが。

そして、何度も吐く症状が3日以上続く場合は「慢性嘔吐」です。

この場合は何らかの病気である可能性が高いので、元気そうに見えても注意が必要です。

吐きやすい犬種ってあるの?

犬には比較的吐きやすいい犬種というものがあります。

基本的によく吐く犬種としては小型犬から超小型犬などの気管の細い犬種、かつ短頭種です。

例えば、

  • フレンチブルドッグ
  • ブルドック
  • ボストンテリア
  • パグ
  • シーズー
  • チン
  • チワワ
  • ポメラニアン
  • トイプードル

などが代表的な犬種です。

胃捻転や胃拡張によって吐くことの多いのは大型犬種の方です。

年代定期にみると、成長期の子犬、そして消化機能の衰えがちな老犬などが嘔吐が多い年代です。

子犬の場合は成長期の好奇心による誤飲や嚥下困難(食べ物を飲み込めない)が原因で、適切な食事バランスが整うまでの辛抱です。

老犬の場合はある意味止むを得ないという部分もありますが、吐くという行為はそれだけで体力の消耗につながっていきますので、特にフードを変えた直後などは十分なケアが必要です。

犬の嘔吐はとにかく要注意!サインは吐瀉物の中に

犬の嘔吐の良し悪しを見分けるのは、何と言っても吐瀉物のチェックが何よりも重要です。

「何を吐いたのか」を明確にする事で原因を追求出来るのです。

自分で判断出来ない場合は、必ずその吐いたモノを獣医師に確認してもらう事が大事で、いくら知識をつけたからといっても素人は素人です。

確実な判断は様々な検査によってしか得られないこともあります。

日頃からかかりつけの獣医さんを持っておき、いつでも相談できるように定期検診などを欠かさないようにしましょう!