犬が食べると中毒を起こす食品がいくつかあります。玉ねぎや長ネギだけでなく、チョコレートもその一つです。

中毒の原因成分、中毒の症状、応急処置についてご説明します。

チョコレートのどんな成分が有害なのか?

チョコレートの原料であるカカオに含まれる「テオブロミン」という成分が中毒の原因です。

ですから、カカオの含有量によって、どれくらい食べたら発症するかが違います。

一般的なチョコレートの場合、ミルクチョコレートでは100gあたり約180mg、ダーク(ビター)チョコレートでは100gあたり約560mgのテオブロミンが含まれています。

ホワイトチョコレートも例外ではなく、100gあたり約0.8mgのテオブロミンが含まれています。

カカオ含有量が多い、「カカオ70%」や「90%」といったチョコレートは少量を食べただけで中毒になる懸念があるわけです。

目安として、小型犬なら板チョコ1枚以上は危険と考えられます。

発症したときの症状は?

中毒症状が出始めた時の初期症状は、多尿と下痢、排せつ物の異常が挙げられます。

さらに進行すると、筋肉がけいれんを起こし、呼吸困難や不整脈が現れ、最終的に痙攣や麻痺に至り、死んでしまうこともあります。

ただ、中毒症状が出始めるとは、チョコレートを食べてから吸収が始まる4~8時間後なので、それまでに応急処置をとれれば、中毒を防ぐことも可能です。

犬がチョコレートを食べちゃった時の応急処置は?

チョコレートを食べたことが確認できた、またはその疑いがあるときは、すぐに獣医師に連絡し、動物病院で吐かせる処置をするのが安全です。

ですが、深夜や動物病院の休診日には、飼い主自身が落ち着いて応急処置を行う必要があります。

応急処置の方法1.食塩を飲ませる
スプーン1杯から数杯の食塩を舌の上にのせてあげて、食べさせます。大量に水を飲むよう促し、嘔吐させます。

応急処置の方法2.薄めたオキシドール(過酸化水素水)を飲ませる
オキシドールが胃に入ると酸素が発生し、吐き気を催します。

飲ませる量の目安は、体重5kgに対し1ccです。

スポイトで口の端から飲ませ、手で口をふさいで上を向かせると飲ませることができます。

オキシドールは薬局で購入できます。なお、破傷風の消毒に有効(他の消毒薬は無効)なので、災害対策用として常備しておくとよいです。

ただし、嘔吐による応急処置は、チョコレートが胃に残っている1~2時間程度しか有効ではありませんが、4時間程度たっても有効だったことがありますので、応急処置として必ず行うべきです。

食べてから時間が経っている場合は獣医師に連絡し、点滴などの処置を受けて中毒症状が落ち着くのを待つしかありません。

中毒症状を防いだり、急速に治す薬はありません。

かかりつけの動物病院があるなら、まず連絡しましょう。

夜間でしまっているときには、お住いの地域で夜間診療をしている動物病院があるか調べて、事前に連絡してから連れて行きましょう。

動物病院が遠い場合は、自宅で吐かせてから動物病院に連れて行くことも有効で、なるべく吸収させないことが重要です。

吐いたのはチョコレート?

色がチョコレート色のものを含んでいる場合はわかりますが、わかりにくいときは箸などでかき回すことで、チョコレートのような匂いがすればわかります。

チョコレートを包んでいる銀紙も一緒に食べてしまった時には吐き出しにくいこともあります。

その場合はレントゲン検査で確認して確定することが必要な場合もあります。

なぜ食べてしまうのか?

イタズラ好きな犬

犬はいたずら好きなので、なんでも口にしてしまいます。

硬いプラスチックの部品でも、飲み込んでしまうことがあります。

チョコレートなどのお菓子類も、甘いおいしそうなにおいがしますから、手が届くテーブルに置きっぱなしにしていて、誤飲してしまうことがあるわけです。

なにより、飼い主がおいしそうに食べているわけですから、興味を持つのです。

高いところに置いてあっても、椅子やテーブルに飛び乗って手が届いてしまうかもしれません。

吐かせた後の食事で注意することは?

吐かせたことで胃を刺激していますから、最初の食事は通常の1/3から1/2くらいの量に抑えます。

2度目の食事は2/3くらい、3回目から通常量に戻しても良いです。

事故を未然に防ぐために

チョコレートに限らず、お菓子なども犬の手が届かないように片付けておきましょう。

特に犬だけで留守番をさせるお宅では、何かあった時の応急処置ができませんから、厳重にしまっておいてください。

留守番のときだけでなく、ちょっと飼い主が目を離すタイミングでテーブルに飛び乗って口にしてしまう、窓から風が吹き込んでテーブルや棚の上から落ちてしまうなども考えられるので、ご注意ください。

万一の時のために備えておくこと

犬は人より体が小さいので、急激に症状が進行することがあります。「とりあえず様子見」をしていると、手遅れになることもあります。

犬を飼い始めたら、最寄りにかかりつけの動物病院を決めておき、気軽に相談できる関係を築いておきましょう。

また、夜間診療をしてもらえる動物病院があるか調べておきましょう。